ページ内を移動するためのリンクです。

のぶちゃん先生の鰹節削器を作るワークショップ in キッチンみのり(京都)

大のお出汁好きの8歳の息子。出汁をとっていると(無添加の出汁パックですが)必ずのようによってきて、「いい匂い!!ちょっと飲ませて!」
と、味付けもしていない出汁をそれはそれは幸せそうに飲むのです。
そんな息子が大絶賛する出汁は、私の母こと「おばば」の作る出汁。昆布と鰹節をふんだんに使い、丁寧に作るのですから美味しいはずです。

そんな息子のために開催されたと言っても過言でない「のぶちゃん先生の鰹節削器を作るワークショップ」!!数ヶ月前から予約し、心待ちにしておりました。無類の出汁好き、工作好きの息子にはもう、たまらないワークショップ。
開催場所にもグッときます。桜咲き誇る春の京都!鶯張りの二条城から歩いていける京町家「キッチンみのり」さん。ガラリとその引き戸を開けた瞬間から何とも優しい、穏やかな空気に包まれます。元気いっぱいの出汁好きの子供たちもたくさん参加していました。

今回のワークショップはキッチンみのりのオーナーで家庭料理研究家の山上公実さんが企画してくれたもの。
「手づくりをすることで愛着がわく。食育と木育を融合させたい」と「のぶちゃん先生」の愛称でご活躍中の岩出信彦先生を岐阜よりゲストに招き、鰹節削り器の作り方を指導してもらうのです。一人一台作って持ち帰れるだけでなく、鰹節一本のおまけつきという何とも贅沢なもの。
材料は全て先生自ら木を切るところから準備していただき、当日は、釘を打つところから始まりました。その美しいキットを前に作りたくてウズウズする息子。

まずは、オーナーでもある山上さんの登場。実は、薬膳学院の同期の彼女。彼女の持つ穏やかで聡明な雰囲気によって一気に場も和みます。その後、「のぶちゃん先生」こと岩出信彦先生に鰹節削器の作り方を丁寧に説明していただきました。

さあ、いよいよ、工作の始まりです!
まずは、ボンドで木を固定させ、それから釘を丁寧に打っていきます。金槌作業の前には、金槌の構造も丁寧に説明してくれた岩出先生。片方の面は平らでもう片方は少しなだらかな丘のように丸まっているのです。仕上げに釘を板に完全に打ち付ける際に、板を傷つけないように丸みを帯びた構造になっているのだそうです。なんとも理にかなったお話に息子も私も感心しまくり!!

金槌の音が何とも騒がしく、楽しげにキッチンみのり中に響渡りました。もう、大人も子供も真剣そのもの。釘をまっすぐに打つコツも岩出先生より伝授していただき、一心不乱に釘を打ち続けます。
どんどん形になっていく鰹節削器に胸も高鳴ります。

役2時間ほどかけてついに完成!見てください、この美しい佇まい。
木の色と金色にピカピカと光る釘の相性が抜群で凛としています。シュッと美しい音を立てて軽やかに開閉する引き出し。息子も自分の作品にウットリ。息子だけでなく、参加者みなさんがなんとも良い顔をしていました。

このワークショップの凄さはここで終わらないこと。
岩出先生がおもむろに、鰹のぬいぐるみを取り出し、鰹節がどういうものなのかを解体しながらしっかり説明してくれ、削り方まで詳しく教えてくれるのです。削器の手入れの仕方、鰹節の保存方法も。説明を聞き終えた大人と子供は、ただもう鰹節を削るのみ。引き出しを開けては、自分の削った鰹節を愛おしそうに眺めます。そして、パクリ。これが、美味しい!

そして、最後のお楽しみが、この鰹節をふりかけて食べる熱々ご飯。
率先してお手伝いしてくれる子供たち。配膳もお手の物!子供たちの生き生きとした表情は大人を元気にしてくれます。
山上さんお手製のお味噌を使った、切り干し大根入りの超健康的な即席お味噌汁、今がまさに旬のつくしや菜の花の料理、お漬け物なども一緒にいただきました!そのご飯やおかずが美味しいこと!!
子供の顔がその美味しさを物語っていました。息子は初めて食べるつくし料理を「うまい!!」と頬張り、お味噌汁も堪能。

お腹も満たされ、じっとしていられない子供たちは、奥に長〜〜く伸びる京町家を探索。
丁寧に手入れされた京町家は大人の目も楽しませてくれました。
初対面にも関わらず元気いっぱいに遊ぶ子供達。息子にとっては初めての京都。ものすごく楽しかったようで、家に帰りお風呂に入るときに、「あーーー、楽しかった!」と大きな独り言を。


日本が誇る発酵食品の一つである鰹節についてとことん学び、大人も子供も楽しめるワークショップ。素敵な人との出会いもあったり、本当に充実した週末が過ごせました。

今は、親子二人で鰹節がなくなると削る日々。
シュッシュッと鰹節が削られていく音が我が家に響き渡ります。
今日も、削りたての鰹節をアツアツご飯に乗せて、お醤油をタラリ。

息子お手製の鰹節削器が日々の生活をとても豊かにしてくれています。

=============================================
岩出信彦(いわでのぶひこ)
岐阜木材流通団地協同組合の組合会館を拠点に「のぶちゃん先生の木工教室」という名称で活動。岐阜木材団地内に勤務する8人で「さくらクラフト」という会を8年前につくり端材を利用した木工体験会を開催。4年前からこの「さくらクラフト」の活動のなかに「のぶちゃん先生の木工教室」を付け加える。現在は「のぶちゃん先生の木工教室」の活動を主力に出張講座の開催に力をいれるなど活動の輪を広げている。

=============================================
キッチンみのり〜料理教室・暮らしに役立つワークショップ〜
京町家のほっこりした空間で家庭料理や保存食を作る料理教室や、ゲストを招き暮らしに役立つワークショップなどを開催。料理教室では乾物や魚、旬の食材を使ったものを中心に薬膳のエッセンスなどを取り入れたものを提案。
●季節の家庭料理 ●乾物料理「乾物cooking」 
●手作り味噌・保存食作りの会 ●お魚手開きワークショップ 
●お魚さばき教室 ●手作り餃子の会 など

http://kitchen-minori.com/
Facebook 「キッチンみのり」

=============================================

 

Share

この記事のライター

柴口実菜子
柴口実菜子
予防医学食養生士/薬膳食療法専門指導士/和学薬膳®︎博士。元グラフィックデザイナー。1児の母。ドイツ・タイでの生活から、自分でできる体調管理の大切さを痛感。マクロビオティック、薬膳を学ぶ。オトナ&コドモのカラダにやさしく、おいしく、カンタンな食を日々追及中。
  • Instagram
このライターの記事を読む