子育て
2017.10.16
コドモの嫌いな食べ物との向き合い方。
小学2年生の息子、実は、かなり魚が苦手なんです。
特に煮魚。給食で出る日はそれはそれは悲壮感漂わせて学校へ向かいます。
タイに住んでいた2才から5才頃にあまり魚に慣れ親しんでこなかったのが原因かと。
日本に帰国したばかりの頃、魚を食べない息子に焦った私。なんとか食べさせようと頑張り始めます。こちらが頑張れば頑張るほど、コドモに拒否される始末。結果、ごはんタイムに不穏な空気が流れたり。
そんな時、当時通っていた薬膳学校で「子供薬膳」の授業を受けたのです。(ここで言う子供はおそらく赤ちゃんから小学校入学前の6才くらいまでの子を指します)コドモの嫌いな食べ物と親がどう向きあっていけばいいのかヒントがたくさん!薬膳の視点から見るコドモの好き嫌いはかなり興味深く、ナルホドポイントがいっぱいでした。
【ナルホドポイント1:味覚の発達には順番がある】
生まれて最初に本能的に好きな味が2つ。「甘み(自然な甘み)」と「旨味」。1才頃になると「塩味」。この時期に濃い味に慣れてしまうと、大きくなっても濃い味が好きになりがちに。なので、なるべく薄味からスタートするのがベストです。それから「酸味+甘み」。甘酸っぱい味です。酸っぱいだけだと、このころは無理だそうです。10才頃になって初めて「酸味」が食べられるようになる子が増え、15才〜20才になって「苦味」「辛味」「臭み」が訓練したら食べられるようになる、と言う順番。
【ナルホドポイント2:コドモが本能的に嫌がる食事が存在する】
●硬い→消化器官が未熟なので苦手。
●苦味→デトックス作用の強いものが多い。デトックスがあまり必要ないので食べたくない。
●緑の食べ物→未完熟の色と判断。
●食べにくい→不器用なので食べられない。
●刺激→本能的に腐っているかもと判断。
これらのことを踏まえて考えると、ピーマンやゴボウはまだ食べられなくて当然か、と思ったり。酢の物はまだ無理だったか、と反省したり。野菜が嫌いだと思ってたけど、緑色はいやなんだな、と納得できたり。お魚は不器用で骨が取れないから嫌なんだと気づいたり。味覚がある程度発達するまでのんびり待つか〜、と思えたり。
嫌いなら全く食べさせなくていいわけではなく、やっぱりすこ〜しづつ小さい頃から慣らすのも大事とのこと。「苦味」なんかはデトックスが必要になってくるとおのずと食べるようになるらしいです。
【ナルホドポイント3:コドモは機能的に不器用だと理解する】
●硬いものは柔らかく→大人のおかずをすり潰す・たたく・ふやかす
●食べにくいものは食べやすく→一口大・細切・ほぐし・手づかみ
何より大事にしたいのは「ごはんタイムは楽しい」と思わせてあげること。
食に対してのストレスをあまり与えないこと。
そのために、親としてついついやりがちなんだけど、
やっぱりしない方がいいんですよ〜と言う具体的な行動をあげると・・・・・
●苦手なものを隠して食べさせる
●ノルマを課す
●「食べないと○○させる/させない」と脅す
●一つと約束させたのに全部食べなさい!と言う
●日によって言うことが違う
などなど。どれも経験済みな私は授業中に人知れず深〜〜く反省したのを覚えております。
そしてもう一つ、大変興深いことを学びました。
【ナルホドポイント4:日本人が陥りやすい思考パターンを自覚すべき】
突然ですが、下の図を見てください。
そこで質問です。
Q:この二つの円を見て、あなたはどちらの円が気になりますか?
当時、私も含め20数名の生徒のほとんどが右側の円が気になるに挙手。
実際、日本人の多くが右の円を選ぶらしいです。
この円の選択結果から見えてくるのは、日本人のある思考パターンなんです。
「日本人は欠陥や欠点に目がいきがちな民族」なんだそうです。
私たち母親は、なんとかして「嫌いな食べ物」という「欠点」を無くしたくなるんです。
「欠点に目が行きがちだということを頭に入れつつ、長所を伸ばそうと考えてください」との一言を先生から頂戴しました。
嫌いなものを食べなくていい、というのではありません。でも、食事というのはやっぱり楽しい方が良い。なので、コドモの好きなもの9、嫌いなもの1の割合で出してあげてください、と。 嫌いなものをゼロにはしないけど、そこに親とコドモの意識を集中させないことが大事なんです。
このお話、私の心にかなり響きました。食べさせないと、と言う呪縛から解かれて気持ちがずい分楽になりました。
食べられそうなお魚を探し、彼の好む味付けと料理で食べさせていこう、と。
これが1年半ほど前のこと。
それから彼は確実に食べられる魚が増えてます。だいたい9対1の法則を守りつつ嫌いなモノに少しづつ慣れてもらおうと心がけてます。ついつい怒ってしまうこともあるのですが、食べることを楽しんで欲しい。
大きくなってから、「お家のゴハンは美味しくて楽しかったな」と思って欲しい。
何より、作った料理をコドモがモリモリと美味しそうに食べてくれると、母として嬉しくて仕方ないもの。私もコドモとの食事を楽しみたい。そのために、彼の嫌いなものに目を背けることなく、かといって集中することもなく、時間をかけてゆっくり見守っていくのが大事だと思っています。
この記事のライター
- 柴口実菜子
- 予防医学食養生士/薬膳食療法専門指導士/和学薬膳®︎博士。元グラフィックデザイナー。1児の母。ドイツ・タイでの生活から、自分でできる体調管理の大切さを痛感。マクロビオティック、薬膳を学ぶ。オトナ&コドモのカラダにやさしく、おいしく、カンタンな食を日々追及中。