作る
2024.2.27
ワークキッチンで育まれる子供の力
松本市を拠点として、地域活性や起業、発信、
イベントなどの支援活動を行っている社団法人One Park。
こちらの活動の一環である『ワークキッチン』は、
地元のプロに教えてもらうワークショップ形式の料理教室などを通して、
子供達に考える力とチームワークを育む機会を与え、
地域の人が世代を越えてつながり、交流する場ともなっています。
新年第一回目は、松本市にある『城町ろばた縁』の
オーナーシェフである村瀬たけしさんを先生として迎えて、
子供達主体の料理教室が開かれました。
筆者は、ボランティアとして娘と一緒に参加したので、
その様子をレポートします。
今回教えてもらうのは、
子供達が大すきなオムライス、ロールキャベツ、ミネストローネの3品。
最初、品数も多くわりと工程の多い料理なので
大人と一緒に作るのかなと考えていたのですが、
今回は先生の方針で、子供たちが自分で考えて行動す
るという事を重視するスタイル。
先生は、使う材料や食材の切り方、注意点などは伝えますが、
どのように調理を進めるかの流れ、分担、味付けなどは、
同じチームの子供達で相談。
分からないことは、極力大人ではなく、
先に進んでいる他のチームや上手にやっている子に聞き、
先生は、全体の様子を見ながらのアドバイスとサポートに徹します。
ママ達も、見ているとついつい口や手を出したくなりますが、
危ない時や本当に困った時以外はなるべく我慢です。
まずは、子供達で相談してチーム分け。
小学校1年生~6年生まで年齢も様々なので、
大きい子達が最初にじゃんけんで組分けしてから、
小さい子をそこに入れる形でバランスが良くなるようにしていました。
1年生の娘は、大きいお姉さん達と同じチームになり、
はじめは緊張の面持ち。
親も、うまく一緒にできるかなと少しハラハラしながら見守ります。
最初は、手洗いをしてから、
説明や切り方など先生のデモンストレーション。
皆近くで真剣に見ています。
料理ごとに最初の説明は、手元を見せながらしっかりとありました。
おしゃべりしたり、注意を払っていないと先にどんどん進んで
分からなくなってしまうので、
自然とちゃんと見たり聞いたりするようになる感じでした。
野菜たっぷりの食材。
先生からは、普段家で食べないものがあっても
食べてみる事が大切とのお話もありました。
はじめは緊張していた娘も、皆がやっている様子を見て、
自分も包丁で切って見たいと主張したり、
卵を割るなど、積極的に参加していました。
大きい子達も、娘の様子を見ながら任せたり、
できない所は手伝ったりアドバイスする様子が見られました。
普段あまり料理をしたことがない子も多く、
肉の処理、火の扱いや炒め物、オムライスを卵で包んだりなどは
苦戦する場面も見られましたが、どのチームも協力して乗り切っていました。また、先生からは、調理室を出る時間から逆算して、
食べる時間、片付ける時間も確保したうえで
出来上がり時間を考えるようにとのお話もあり、
これは将来仕事などにも通じるとても大切な力だなと思いました。
あまり経験したことが無い味付けにも挑戦。
チームで一人だけ先生の料理を味見して、
自分達で調味料を選んで味付けするのに、最初は戸惑った様子でしたが、
このように味について考える経験は、レシピに頼らない力を磨くのに
必要だなと感じました。
あとで子供達の料理も味見してみたら、
味付けにチームそれぞれの個性が出ていて全然違うのが面白かったです。
料理の完成!最後まで自分達でやり遂げた子供たちの顔には、
自信に満ちた笑顔と達成感が見られて、料理教室の短い時間の間にも
感じられる確かな成長に、大人としても嬉しくなりました。
最初は、あまり乗り気でない子や
チームでやりたくないと言う子などもいたのですが、
最後はみんな笑顔でした。
保護者ボランティアは、先生が作った料理をいただきます。
さすがプロの料理は、美味しいと感激。
食べながら先生のお話も伺いましたが、親と一緒に作ると、
子供は甘えて大人に頼ってしまうし、やらされ感も出てしまう。
子供は順応性があるので、困れば自分でどうすれば良いか
考えるようになるし、自発性も出て来る。
その力を磨くことが大切という事をおしゃっていて、
本当にその通り、親も手を出し過ぎるのは良くないのだなと
自分を振り返る機会にもなりました。
最後は、全員で協力して片付けしてから、記念撮影をして解散。
子供の自立心と協調性を育む料理教室。
機会があったらぜひまた参加したいです。
この記事のライター
- 奥牧双葉
- 長野県在住。一児の母。 製菓衛生師/只今、お菓子の企画・開発職として修業中。 これまでパティシエールとして働いてきた経験を活かし、大好きなお菓子作りや料理などを中心に、皆様に手作りの楽しさをお伝えしていきたいです。