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レトロ喫茶ブームは続く・・・怖いもの知らずなあなたに捧げる「大阪・ディープなレトロ喫茶店3選」

最近、週に一回ほど、レトロ喫茶店でモーニングをすることが楽しみの一つになりました。
スタバでもない、コメダでもない、レトロ喫茶店です。最近、若者の間でも「昭和」や「レトロ」がブームとして再燃しているそうですよ。
20代の女の子が松田聖子の物まねをしている動画をTikTokなんかで見ると、良質なものはいつの時代も評価されるのだな~としみじみ思います。
さて、「レトロ喫茶店」といっても、私が敢えて選んでいるのは、レトロというよりもただ単に古い、なんか入りにくい、地元のおっちゃんおばちゃんだけで盛り上がってそうな喫茶店です。そういう喫茶店の特徴は3つ。

①値段が異常に安い

②実家のようなぬくもりを感じる
③長く続いているだけあって美味しい

そんなポイントを押さえた、「大阪・ディープなレトロ喫茶店」を3件、ご紹介しましょう。

①北区大淀 「パンド」

サンドイッチや焼き立てのリンゴパイが有名なパン屋兼喫茶店です。サンドイッチが名物なだけあって、種類が豊富!メニューにない組み合わせも対応してくださいます。
私のお気に入りはツナ&ハムチーズ。630円
このパンパンに詰まったツナ!!食べる前からすでにはみ出していますが、頬張るとむぎゅっと口の中でツナがはみ出します。これがまた美味しいんですよね~!

そしてこのフルーツタルトはなんと200円!

齢80は超えていそうな料理長が毎朝、パイ生地から作られているそうで、サクサクです!
真ん中のブドウはシャインマスカットでした!価格破壊すぎるぅ~!!
さて、こちらのお店はリンゴパイも名物なのですが、それよりも私がぜひご覧になっていただきたい名物があります。


価格破壊だけでなく、看板も破壊されています!!
店名も全く読めないのになぜ設置されているのか・・・謎が残りますが、そこが大阪ディープ喫茶店ですね~!

「パンド」ディープ度 ☆☆---

②福島区福島8丁目 「喫茶さと」
なんて入りにくい面構えなのでしょうか・・・店内が暗くて本当に営業しているのかどうか、全くわかりません。放置されたように見える室外機がまた味があります。
うわー、、入りにくいな~!ほんと入りにくいなぁ~!笑
店というより、家ですよね、これは。例えば10年ぶりに偶然、出会った同級生のおばちゃんに「あんた!久しぶりに夕飯食べにおいで~!」と誘われてホイホイついていけるような図太い神経がないと入店できないレベルです。
さて、「営業中」と書かれた札を信じて、いざ入店してみました。
店内は凄まじい実家感です。
親戚のおばちゃん家で見かけたことがある座布団と、懐かしい家の匂い。
どんな珈琲が出てくるのか…色んな意味でドキドキしてしまいます・・・
まさかのサイフォン式でした!これはめちゃくちゃ期待できそう~!
「できるだけ淹れたてを飲んでいただきたいのよ~!」そう語る親戚のおばさ・・・じゃなくて店主の女性マスター。サイフォンの中の豆をくるくる回す所作に見とれてしまいます!
そして、このお店で名物なのがモーニングの「卵サンドイッチ」(400円)
パンパンです!厚焼き玉子がパンパンに詰まっています!
なんでレトロ喫茶店って具がパンパンなの!?(笑)

大好き!!ほんと大好き!
こちらのモーニングはこの「卵サンドイッチ」のみなのですが、焼き立てホカホカの厚焼き玉子とケチャップが本当に美味しい!ちょっと牛乳が入っていてふわふわで、まさにお母さんが作ってくれる懐かしい大阪の卵サンドなのです。すごいボリュームなので、来店される際はお腹を減らして行ってくださいね。女性マスターもとても気さくで、おしゃべりが大好きな大阪のおばちゃんなので、実家のぬくもりを感じたい若者におススメですよ!

「喫茶さと」:ディープ度 ☆☆☆---

③西淀川区野里 「喫茶ほのぼの」
「ほんまに、ほのぼのできるのか・・・?」
通りすがりに思わずつぶやいてしまったのがこちらの喫茶店です。
雑居ビルのかたすみに細い通路・・・そして「ほのぼの」と書かれた看板・・・
「入店はよく考えろ・・!」と言いだげな警告とも思えるこのパトライト付き看板・・・
正直、入店しようかどうか数か月、悩みました。
この細い通路に吸い込まれるようにして、おじいちゃんが入店してゆく姿を見たときは「あのおじいちゃん、私だけに見える人じゃないかな?」と思ったこともあります・・・。
ドアの前の看板のイラストだけはすごく「ほのぼの」させられます。(看板何個あるの!)
「このドアの向こうに・・・私の知らない”ほのぼの”が待っている!!」
そう自分を奮い立たせていざ入店!

「えっ・・・!?」思わず目を疑いました。

パーティー!?パーティーが開かれるの!?

なんでティーカップが準備されてるの!?

私が来ること知ってたの!?
入って左手の部屋にはとても立派な金屏風が・・・

もしかして今から近所の寄り合いのパーティー!?
正面のテーブルにはポットが二つ。

ひょっとして・・・私は不思議の国のアリス?お茶会に迷い込んだ!?
ああ~っ!すっごい不安な気持ち・・・!!

「はい、いらっしゃい~~・・・」奥のカウンターからひょっこりとオーナーが出てきました。
あっ!この人は・・・!前述した「私だけに見えてるんじゃないか」と思ったあのお爺さんでした。
よかった!生きてたっ!
にこやかに話す店主に説明されてやっとわかったのですが、どうやらこちらの喫茶店はセルフサービスのようです。
なんでも、大きな手術の後にうまく歩けなくなったオーナーを心配した常連のみなさんが、あらかじめ用意されたティーカップにセルフで珈琲を注ぐ今のスタイルを提案したそうです。常連さんとオーナーの絆、とっても「ほのぼの」するエピソードですね~!

珈琲はお菓子付き、お代わり自由で300円!
さらに3g、4g、6gの砂糖からお好きなものを選べます!!(笑)

しかもお椀に投げ銭するスタイル!お釣りもテーブルの上に置いてあるお椀から勝手に取るそうです。
オーナーと常連客の信頼感があってこその営業スタイル。「ほのぼの」しますね~!
元PTA会長であり、町会長の経験もあるというこちらのオーナー。
「今、聞いたことは全く覚えられへんのに~、昔のことよう~覚えとるんですわ~」
「ほんで、300円やと赤字なんやけどね~、しゃべらんと、わたしボケますねん~、さしずめここは地域貢献の場でもあり~、わたしの介護療養施設なようなもんですわ~」
ニコニコとしゃべるオーナーと、それを「うんうん」と頷きながらこれまた嬉しそうに相槌を打つ、常連客のおばさん達。
自分の生活費を削ってでも、近所の少年野球の子供たちに差し入れのお菓子を配ったり、近所の商店街で開業する若手の経営者を応援するオーナーの逸話をたくさんお伺いして、この店がたくさんの常連客に愛される店になった理由がわかりました。

何度でも言います。
「喫茶ほのぼの」は・・・
めっちゃ「ほのぼの」できますっ!!

数年前まではスナックもやっていたそうですよ。
「お笑い漫画道場」富永一郎大先生のイラストが描かれた看板・・・

最後の最後まで「ほのぼの」させますねぇぇ~!!

「喫茶ほのぼの」:ディープ度 ☆☆☆☆☆---

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さて、想像以上にディープすぎる大阪レトロ喫茶店3選。
あなたのお気に召す喫茶店はありましたでしょうか?
人と人の繋がりを大切にする大阪ならではの喫茶店、プライベートが重視される今時のカフェとは真逆の存在なのですが、なぜか魅了されます。
「喫茶ほのぼの」のオーナーが仰っていたのですが、「今の時代は若いうちに人に優しくされた経験のある人間が少ないように思えます。この店が赤字前提でやっているのは、「誰かに優しさを与えたい」そういう思いを忘れたくないからなんです。」という言葉が、とても身に沁みました。
たまに誰かと話したくなったら、勇気を振り絞って、大阪のディープ喫茶店の扉を開いてみませんか・・・?
皆さんの健闘を祈ります!!

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この記事のライター

こは村 こはる
こは村 こはる
ライオンのように強い母でいたい。でも、柔らかで、甘くて優しいお母さんでもいたい…そんなまるでポン・デ・ライオンのような心を持つ一児の母。なんの資格も持たない普通の主婦がお届けする、おもしろおかしい日々。
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