暮らす
2020.8.7
噂の高級魚オジサンを食べてみた!
ある日、賑やかな商店街の鮮魚店にふらっと入るととても珍しい魚が売られていました。
『八角』
エイリアン的な見た目の魚でしたが味噌焼きがオススメだそうです。
『おこぜ』
スーパーではあまり見かけませんね。唐揚げにすると美味しいそうです。
『石鯛』
初夏が旬の高級魚だそう。身が締まっているので薄造りがオススメなんだとか。
『おじさん』
お…
おじ…
おじさん…!?
なんという名前の魚でしょう。
スズキ目ヒメジ科オジサンという魚類で、れっきとした正式名称だそうです!
口の下に長いヒゲのようなものが生えていることから外見だけでこの名前がついたのだとか。
もちろん、メスでも『オジサン』なんですよ。ややこしいですね。
沖縄では日常的に食べられている魚で、非常に旨味の強い白身魚だそうです。
皮にも特徴的な甘味があるそうで、皮ごとお刺身にするのがオススメの食べ方だそうです。
興味津々で早速、購入してみました。
(※来店時の価格ですので変動することがあります。)
なんだか、沖縄!って感じのハッキリした色の魚ですね。南国の魚はド派手な色のものが多い気がします。
正面から見てみました。こんな顔のオジサン、たしかに見たことがあります。
仕事は全然出来なかったけど、愛嬌だけは人一倍ある昔の上司にそっくりです。
上司を思い出すと食べにくくなるので、気持ちを切り替えて調理することにしました。
(あまり思い入れがないのかすぐに切り替えれました。)
夫に『珍しい魚!オジサンを買えたので今日はアクアパッツァにします。』とメールをするとすぐに返事が帰ってきました。
『僕は食べない。』
ん?なんでだろう。と疑問に思いつつもフライパンに火をつけ、ニンニクで香りづけしたオリーブオイルでオジサンを軽く炒め白ワインを入れて蓋をしました。
そろそろかな…?
魚や野菜に火が通る頃合いにフライパンの蓋を開けました。
あ〜、はいはい、この香り!
なるほど〜、こういう感じね〜!
はいはい〜こう来たか〜!
なるほど〜、なるほどねぇぇ…
……。。
結論から言うとめっちゃ臭い!!
あー!臭い!
なんだろう、この臭い!
どことなく甘味を感じるのに不快なこの臭い…
鯛の脂身を100倍濃くしたような濃厚な魚臭…
そして皮の鱗部分から醸しだされるこの甘ったるい香り…
閃きました。
これは、近所のおばちゃんが使っている『白粉(おしろい)』の香りです!
これ、おばちゃんの顔面の匂い!!
おばちゃんのおしろいと魚の脂の臭いが混ざった感じ!!
すごい!!私、日本で1番、『オジサン』の臭いを正確に表現する文章を書いているような気がします。
悲劇です、これは。『オジサン』からおばちゃんの匂いがするんですよ!
わー、すごいな〜これぇ〜
すっごいなぁ〜
どうしようかなぁ〜
……。。
2分ぐらい悩みましたが…捨てました!泣
一口食べてみましたが、ものすごい特徴的な臭いが口いっぱいに広がったのです。
勿体無くて本当に悩みましたが…色とりどりの野菜、そこそこ高いオリーブオイル、そしてこの料理にかけた手間。
全て忘れよう、きっぱり忘れよう!そう思えるほど臭かったです。
夫に『オジサン臭いので捨てます!今日はハンバーグに変更!』と連絡すると、
『僕は前から知っていた。テレビでオジサンは独特な匂いがすると見たことがある。ハンバーグばんざーい!!』と返事が来ました。
そうだったのか…
改めて調べ直すとこの魚は内臓がとてつもなく個性的な臭いがするらしく、捌く時に厳重に注意して調理するそうです。
内臓の臭味が切り身にうつらなければ、高級魚として刺身に出しても喜ばれるほど美味しいのだとか…
きっと今回、私が購入した鮮魚店の板場さんはこのことを知らなかったのかは分かりませんが、
とても臭かったのは捌き方が良くなかったようですね。
残念ながらどうしても食べられなかったので捨ててしまうことになりましたが、出会ったことのない魚にチャレンジしてみるのはとても面白い経験になりました。
しばらくの間、近所のおばちゃんとすれ違う度に『オジサン』のことを思い出しました。
ちょっとトラウマになりそうな思い出です。
珍しい名前といえばこちらの魚もたまにですがスーパーで見かけます。
『馬づらはげ』
名前かわいそうすぎるやろ。
もう悪口や、これ!笑
煮つけにするとそれはもう堪らない美味しさなのですが名前と見た目で損をしています。
淡白なのにしっとりとした旨味の身、濃厚な旨味ながら臭みのない肝が特徴の魚です。
『俺は見た目より中身で勝負や!』といったところでしょうか。スーパーで見かけることがあればぜひ、一度購入してほしい魚です。
馬づらハゲとオジサン。
変な名前の魚ばかり食べました。
この記事のライター
- こは村 こはる
- ライオンのように強い母でいたい。でも、柔らかで、甘くて優しいお母さんでもいたい…そんなまるでポン・デ・ライオンのような心を持つ一児の母。なんの資格も持たない普通の主婦がお届けする、おもしろおかしい日々。