作る
2017.10.17
和製エディブルフラワー、食用菊に挑戦!
2017年の初め、私は密かに小さな目標を立てました。
「今年は自分にとって新しい野菜に挑戦するぞ!」と。
ある日、普段スーパーで買って料理する野菜がいつも同じような物だと気付きました。
主婦歴も中堅クラスに入り、料理歴はさらに長く、何となくでも料理が出来るようになったことで、私は自分の経験の中から料理しやすい野菜ばかりを選んでいたのです。
自分の料理の幅と見識を広めたいという気持ちもあったので、小さな目標ではありましたが、達成できると(料理して食べられると)嬉しいものでした。
そして、今まで料理して食べたことがない野菜を気にして見てみると、意外に沢山あったのです。
そんな思いから、今年初めて料理をしてみた野菜は以下の物です。
・山東菜(さんとうさい)
・紅菜苔(こうさいたい)
・青ナス
・赤カブ
・ウド
・芹
・エンダイブ
まだ他にもあった気がしますが、記憶と記録に残した物だけでもこれだけありました。
どれもほぼ旬の時期しか出回らない個性的な野菜たちでした。
そして先日、また自分にとって新しい野菜を見つけたので挑戦してみることにしました。
それが食用菊です。
黄色い方の食用菊はいつもスーパーの陳列棚に鎮座している事はなんとなく知っていたのですが、紫色の食用菊が9月中旬から並び始めたことで、食用菊への興味が湧いてきました。
このようなパッケージに入って売られていました。
パッケージから取り出すと空気を含んでふんわりとするので、想像以上にボリュームがあり驚きました。
そして、菊の花そのものの、まさにお花の香りが漂いました。
パッケージに記載されている調理法を参考に、今回は、おひたし・天ぷら・サラダにして食べてみることに決めました。
まず、おひたしです。
パッケージに記載されている通り、変色を防ぐためにお酢を入れて茹でました。
上の画像は、だいたい同じ量の茹でる前と後の比較です。
(茹でる時にお花のがくは取り外しています)
茹でるとかなりかさは減りますが、色は変わらず鮮やかなので驚きました。
黄色い食用菊は小松菜と混ぜて、紫色の方はそのままおひたしにしました。
味付けはどちらもシンプルに、出汁とお醤油のみです。
食べてみると、味の雰囲気としては薬味のような印象を受けました。
ミョウガや大葉に近い味に感じました。
確かにクセはあるのですが、和食のアクセントとしてとても馴染む味だと思います。
次は天ぷらです。
日頃あまり揚げ物を作らないので揚げ物が苦手なこともあり、見た目はかなり失敗してしまいました。
(形が崩れて、色も茶色く変色してしまいました。)
一緒に揚げた大葉も盛り付けています。
しかし、食べてみるとビックリでした。
かなり美味しいのです。
味の雰囲気としては、山菜の天ぷらに近い印象を受けました。
フキノトウやタラの芽など、苦みのある山菜の天ぷらが美味しいように、食用菊の苦みが油とマッチしていて、クセになる美味しさでした。
油との相性がとても良いのだと思います。
今回料理してみた中では、私は一番美味しいと感じました。
そしてサラダです。
左は、紫色の食用菊、水菜、刻み海苔、すりゴマを入れた和風サラダに。
右は、黄色の食用菊、サラダ菜、ミニトマト、ブロッコリースプラウトを入れたカラフルなサラダにしました。
食用菊はがくから外して、花びらだけを使っています。
花びら一枚ではそれほど主張がないのですが、量が増えると独特の苦みと香りを強く感じます。
味の雰囲気としては、ローズマリーなどのハーブに近い印象を受けました。
今回は野菜だけのサラダでしたが、おそらくお肉やお魚を入れたサラダに合わせると相性がいいのではないかと思いました。
サラダに入れる魅力は何といってもその彩りだと思います。
花びらを散らした瞬間に、サラダが一気に華やかでお洒落な食べ物に変わりました。
今回、食用菊に挑戦してみて思ったのは、これは身近で使える食材だ!ということです。
食用菊の彩りを足すだけで、いつもの食卓が驚くほど華やかになり、おもてなしの場面であれば、よりお洒落で特別な雰囲気がプラスされるのではないかと思われます。
これは、ある日のただのお茶漬けなのですが(我が家は今お茶漬けブームなのです)、いつもの鮭と薬味ネギというトッピングに、黄色い食用菊の花びらを散らしてみました。
すると、ただのお茶漬けが、とっておきのお茶漬けみたいになったのです。
お花の持つ華やかさがそのまま食卓へ、それも器の中に取り入れられるので、こんなにも劇的に料理をワンランクアップさせてくれる食材も珍しいのではないかと思っています。
そして驚いたことがもう一つありました。
この食用菊ですが、鮮度の持ちがとても良いのです!
購入してから1週間ぐらいは冷蔵庫の中でずっと同じような状態のまま保てていました。(あくまでも我が家の場合ですが)
以前、生け花を習っていた時に、他の花材は枯れていく中で菊の花だけはやたら花持ちが良くて驚いていたのですが、それと同じような感覚でした。
これなら、焦らずに少しずつ使っていくことも可能だと思うので、食材を無駄にしないという観点からも、かなりのお助け食材ではないかと思います。
今回、初めて挑戦した食用菊ですが、調理して食してみると嬉しい発見の連続でした。
華やかな食卓がお花で作れた!と感激しています。
黄色い食用菊は通年、その他の品種はだいたい9月~11月に出回るんだとか。
ぜひこの機会に、食用菊で彩り豊かな食卓を演出してみてはいかがでしょうか。
この記事のライター
- 柏崎和佳子
- 野菜嫌いで食いしん坊な娘の幼児食&健康オタクな夫の晩酌ごはん作りに奮闘中の専業主婦。 栄養バランスと季節感を大切にしたごはん作りを心がけています。