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新年を楽しむお菓子ガレット・デ・ロワ

ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)とは、フランスの伝統菓子の一つです。
折り込みパイ生地にアーモンドクリームを詰めたシンプルなお菓子ですが、
表面にナイフで入れた「レイエ」と呼ばれる美しい模様が特徴的です。

中に「フェーブ」と呼ばれる小さな人形を入れ、切り分けたケーキの中に
フェーブが入っていた人は王様として祝福を受け、王冠をかぶります。
王様になった人は、その年一年を幸運に過ごせると言われています。

伝統的な模様は4つあって、それぞれモチーフが意味を持ちます。
ナイフを入れる深さで模様の出方が変わり、模様が複雑なほど
きれいに焼き上げるのも難しくなるため、職人としての技術の見せ所でもあります。

太陽「生命力」
パイの真ん中を中心に放射状に描かれた渦巻き模様です。
太陽は万物を照らし、生命の源であることから生命力を表すとされています。

麦の穂「豊穣」
矢羽根が縦方向に連なった模様です。麦の穂は豊穣の神々の持ち物であるとされ、
五穀豊穣や生命を象徴するモチーフです。

ひまわり「栄光」
表面全体に格子模様が入っているのがひまわりです。
常に太陽の方を向くひまわりが神に祈りを捧げる人の姿に似ているため、
栄光や忠誠といった意味が込められています。

月桂樹「勝利」
古来から、太陽神アポロンの聖樹とされている月桂樹で作った冠は、
英雄や勝者に捧げるシンボルでした。そのため、コンテストなどでは
こちらの模様が選ばれることが多いです。

もともとガレット・デ・ロワは、キリスト教の祝日である
エピファニー(公現祭)を祝って1月6日に食べられていました。
最近はフランスでも、宗教色が薄れ、1月を通して楽しむイベント性が強くなっています。

日本でも年末年始にかけて売り出すお店が増えてきていますね。

今年は筆者も、自分が働いているホテルのガレット・デ・ロワを買ってみました。
筆者がいる部署でパン担当の方が作っています。

きれいな月桂樹の模様でとても美味しそうです。
切り分けて中からアーモンドが出てきた娘は大喜び!
最近は、安全性や衛生的な観点からフェーブの代わりにアーモンドを入れることも多いです。

別添えでついていた陶器のフェーブ。各お店によって使われるフェーブが違うので、
色々集めるのもガレット・デ・ロワの楽しみ方の一つですね。
娘は、フェーブと一緒についてきた紙の王冠をかぶってご機嫌でした。
家族でフェーブ当てをすると盛り上がります。

新年の幸運を祈り、家族の絆も深まるお菓子ガレット・デ・ロワ。
新年の家族が集まる機会におすすめです。

 

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この記事のライター

奥牧双葉
奥牧双葉
長野県在住。一児の母。 製菓衛生師/只今、お菓子の企画・開発職として修業中。 これまでパティシエールとして働いてきた経験を活かし、大好きなお菓子作りや料理などを中心に、皆様に手作りの楽しさをお伝えしていきたいです。
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