暮らす
2017.12.31
お腹のいいリズムのために。 薬膳的アプローチ【1】
「便秘には何を食べたらいいんですか?」
インスタのフォロワーさんから、ある日いただいた質問。
う〜〜〜ん、と考え込んでしまった私。なぜなら便秘の理由はなかなか複雑。みんながみんな同じ原因で便秘になっているわけではないからです。便秘という結果は同じでも、出ない原因が様々。例えば、バナナやヨーグルトが合う人もいますが、冷えが原因で便秘の人は、これらを食べると余計に冷えて出なくなったりすることも。冷えが原因の場合は体を温めた方がいいんです。まずは自分がどのタイプでつまってしまっているのか知るのが大事。敵を知るには己をまず知らないと!
中医学的には、便秘の原因はざっくり5つのタイプに分かれます。
- パワー不足でつまるタイプ
- 冷えてつまるタイプ
- 熱くてつまるタイプ
- ストレスでつまるタイプ
- 血不足でつまるタイプ
上のどのタイプに当てはまるかで食べるものも変わってきます。人によっては、いくつかのタイプを複数持ってたりする時もあります。
まずは、「パワー不足でつまるタイプ」から。
【特徴】
●疲れやすい ●排便後に汗が出る、疲れる
過労、病気の後などで元気がなくなり老廃物を出す力自体が弱まってしまい便秘になるタイプ。老年の方、出産後などに多かったりします。こういう方はとにかく元気を取り戻すことが大事。消化吸収機能自体が弱っていることが多いので食事はあっさり、温かく、消化に良いものがおすすめ。
【オススメ食材】
ジャガイモなどの芋類・きのこ類・くるみ・リンゴ・ハチミツなど
ジャガイモがいいからと言って、いきなり油たっぷりのフライドポテトでは本末転倒。オススメ食材をどう食べるかもとても大事。とにかく、「あっさり、温かく、消化に良く」がポイント。
オススメ食材を意識して私なりに献立を立ててみました。
パワー不足を優しく補うご飯にしました。
●里芋入りいろんなきのこたっぷり味ご飯(きのこ類は元気アップ食材)
●鯛そぼろ(白身魚は胃腸に優しい)
●自家製蕪のぬか漬け(腸内環境を整えたい)
●胡桃入りサツマイモとリンゴ煮(リンゴは胃腸の働きをアップ&消化もアップ)
●白菜&エノキたっぷりお味噌汁(白菜は胃腸に優しい中からキレイ食材。エノキは食物繊維が豊富なこれまた中からキレイ食材)
●ハチミツがけ胡桃入り棗(なつめ)(ハチミツで腸に潤い)
この中でも、「胡桃入りサツマイモとリンゴ煮」はオススメです。
リンゴ、ハチミツ、サツマイモ、胡桃とオススメ食材がたっぷり入る上に、作り方はいたって簡単!
【胡桃入りサツマイモとリンゴの煮の作り方】
●材料
リンゴ・・・1個
サツマイモ・・1個
干しぶどう・・大さじ2
クコの実・・大さじ1(なければ、干しぶどうを大さじ3)
りんごジュース(できればストレートタイプ)・・・・ 100ml(お鍋の中のリンゴがヒタヒタに隠れるくらいの量)
ハチミツ・・・大さじ1
胡桃・・・・大さじ1
塩(できれば自然塩)・・・・ひとつまみ
●作り方
1)サツマイモは皮を所々むき(ストライプ模様になる感じ)、リンゴは全て皮を剥く(お好みで皮を残しても良い)。それぞれ7mmくらいの厚さのイチョウ切りにする。サツマイモは水にさらして水気を切っておく。(ちなみに我が家の鍋は18cmです。)
2)お鍋を用意し、サツマイモをまず入れその上にリンゴを重ねる。塩、ハチミツ、レーズン、クコの実を入れる。
3)リンゴジュースを加え、沸騰したら蓋をする。
4)蓋をしたら弱火にし15分くらい煮る。
5)蓋を開け、ゆっくり優しく混ぜる。余分な水分は蓋を開けて強めの中火で飛ばす。
6)胡桃をフライパンで数分炒ってから細かく砕く。
7)器に盛って、上から胡桃を散らす。
うちの子も大好きな一品。ちょっとしたオヤツとしても重宝します!お子さんが胡桃を嫌がるようならどけてあげてください。
食事を変えたらすぐに便秘解消!とは残念ながらいきません。ただ、少しづつではありますが、体もこたえてくれるはず。旬のものも意識しつつ、胃腸に優しく「あっさり、温かく、消化に良く」を意識しながらオススメ食材を食べて下さい。ぬか漬けなどの発酵食品お腹のいいリズムにとって大きな味方。できるだけ食べるようにしてください。ただし、冷蔵庫から出してすぐでは冷えすぎなので、常温くらいになってから食べるのをオススメします。
次回は「冷えてつまるタイプ」について書きたいと思います。
この記事のライター
- 柴口実菜子
- 予防医学食養生士/薬膳食療法専門指導士/和学薬膳®︎博士。元グラフィックデザイナー。1児の母。ドイツ・タイでの生活から、自分でできる体調管理の大切さを痛感。マクロビオティック、薬膳を学ぶ。オトナ&コドモのカラダにやさしく、おいしく、カンタンな食を日々追及中。