暮らす
2024.5.30
気象予報士・片山美紀さん「地球環境を守るレシピ」 出版インタビュー
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食べるプラス・ライターで、気象予報士の片山美紀さんが
「地球環境を守るレシピ~温暖化でおいしいお米が食べられなくなる!?」を
出版されました。
気象予報士としての活動の中で、防災や地球環境について、
もっとできることがないか、と考えてきた片山さん。
どんな思いから、このご本を書くに至ったのか、
また、これからの活動について、お話をお聞きしました。
片山美紀さんProfile
1991年大阪生まれ。早稲田大学卒業後、2015年に気象予報士となり、ウェザーマップに所属。
NHK総合「首都圏ネットワーク」や土日の「全国の気象情報」の気象キャスターを務めるほか、
防災や地球温暖化などの講演、子供向けお天気教室などのイベント制作にも取り組む。
「備蓄防災食調理アドバイザー」として料理サイトNadiaにレシピを紹介している。
著書に「気象予報士の仕事‐未来の空を予想して‐」(成山堂書店)がある。
★「食べるプラス」での片山さんの記事はコチラ★
―まずは、こちらのご本について、
どういった経緯で書こうと思われたのでしょうか。
気象予報士になる前、富山の放送局でニュースや生活情報を伝える
キャスターとして働いていたのですが、
ニュースってすでに起こったことを伝えることが多いですよね。
これから起きることを伝えることができれば、
被害や犠牲を防ぐことができるなど、貢献できる範囲が広がるのでは
と考え、気象予報士の資格を取りました。
そこから10年くらいたちますが、気象予報士を続ける中で、
情報を伝えるだけで災害を防ぐ、というのは難しいんだな、
というのを感じています。
まだ起こっていないことに関心を持ってもらう、というのはとても難しいんです。
温暖化についても「地球にやさしいことをしましょう、
温暖化は災害につながります」と言っても、なかなか興味を持ってもらえない。
興味を持ってもらうにはどうすればいいのかな、と考えたときに、
誰もが毎日関わっている「食」をきっかけに、伝えることができないか、と思い、
この本を書くことにしました。
―確かに、温暖化や災害に備えよ、と言われても、
なかなか自分のこととして、実感できないという人も多いかもしれませんが、
「食」のお話なら、自分のこととして考えやすい気がします。
本では、まず、小さくても身近なことから始めよう、ということを
伝えています。
例えば、賞味期限と消費期限の違いを正しく理解するだけで、
食品ロスを減らすことができる、とか。
地元の野菜を買ってみるとか。大豆ミートを食べてみるとか。
食という身近なところから、始めてもらえたらと思っています。
防災に関してだと、缶詰のチーズケーキやチョコレートケーキを家族で食べてみよう、とか。
本の中には、備蓄品で作るレシピや、自由研究のヒントになるページもあります。
夏休みなどにお子さんと一緒に考えてもらうきっかけになれば嬉しいです。
―子どもたちに防災や温暖化についての知ってもらう
「おいしいエコ教室」もライフワークとして実施されています。
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子ども達に防災の備蓄品や缶詰を使って、どんなサンドイッチが作れるかな、
というのを考えて作ってもらい、
「おいしいサンドイッチ」をきっかけに、
備蓄や防災に関心を持ってもらえたらなと思っています。
「おいしいエコ教室」の中では、参加のお子さまに
「お天気キャスター体験」もしてもらっています。
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天気予報に加えて、
『誰かの生活に役に立つ情報を伝えてみよう』とやってもらうのですが、
「明日は暑いからアイスクリームを食べるのがおすすめです」とか、
「今日は〇度まで気温があがり、宿題をするのが嫌になる暑さです」とか、
自分の生活に置き換え、共感できるコメントを作ってくれて、
とても伝わりやすいな、と感心することも。
私自身が気象キャスターとして伝えるときも、
視聴者が、明日の空がどうなるかな、とか、
明日の行動―傘を持っていくかどうかや服装など―はどうしたらいいかな、など、
生活をイメージできるように伝えることを意識しています。
―片山さんは「備蓄防災食調理アドバイザー」の資格もお持ちなんですよね。
はい、いつ発生しても不思議ではない災害に備えて、
どのような備蓄が必要か、
また、災害の時でも栄養を考えた食事ができるようアドバイスできる
知識を身につけたいと資格を取得しました。
今後も、気象キャスターとして
子ども達に向けて「おいしいエコ教室」の活動を増やすと同時に、
忙しい方でもできる備蓄品・缶詰を使ったメニューを考えるイベントなど、
食を通して、防災や温暖化について考えるきっかけを作る活動を
広げていけたらと思っています。
「地球環境を守るレシピ―温暖化でおいしいお米が食べられなくなる!?」
日本橋出版
https://nihonbashi-pub.co.jp/news/276
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