作る
2025.3.12
昔ながらの食文化を伝える信州味噌と豆腐作り

夫の実家では、毎年、親戚や自家製味噌を作りたい人で集まって、
JAの作業場で指導員の方と一緒に味噌作りをします。全日参加すると3日かかる大仕事です。
筆者は、今年は娘と2日目に参加して、味噌作りのメイン工程と豆腐作りをしました。
娘にも、日本の伝統的な食文化を知るとても良い機会になったと思うので、
その様子をご紹介します。
1日目は、豆を洗って水に浸け、米麹と塩を混ぜる塩きり作業をするなど下準備がメインです。
2日目は、大豆を圧力鍋で煮てから冷ましてミンチにし、前日に保温しておいた麹をほぐします。
待ち時間を使って大豆の一部で豆腐作りをするのが楽しみでもあります。
3日目は、ミンチした大豆と塩きりした麹を混ぜ、樽に詰めます。
できた味噌は、各自で持ち帰り、家で食べごろになるまで保管します。
今回は、伝統的な信州味噌なので、大豆、米麹、塩のシンプルな材料で作ります。
2日目は、しっかり浸水した大豆を大きな圧力鍋で蒸しあげる所から始まります。
大豆を蒸す間に、前日塩きりしておいた麹をほぐしながら温度調整をします。
待っている間に、豆腐作りをします。
浸水した大豆に、消泡剤と水を入れながら潰します。
消泡剤を入れた方が、豆腐の泡が消えて仕上がりが安定するそうです。
潰すと白いドロドロした液状になります。
一度大鍋で温めてから搾り、布で濾します。
さらさらした豆乳と搾りかすであるおからに分かれるので、
豆乳の方を鍋に戻して豆腐にします。
搾りたてのまだ温かい豆乳もみんなで飲んでみましたが、
しっかり大豆の味がして甘く感じました。
給食のような大きな鍋で70℃になるまで加熱します。
上に貼った膜は湯葉になるので、こちらも味見させてもらいました。
70℃になったら大きく混ぜて水流を作ってから、少しずつ全体ににがりを加えます。
もろもろした感じになるまでしばらく置いておきます。
その間に、蒸し上がって扇風機で冷ましていた大豆をミンサーで潰す作業をしました。
機械に豆を入れるとひき肉のようになって出てきました。
潰した大豆は、たらいに入れて翌日まで置いておきます。
少し前に、学校でも味噌蔵の見学や味噌作り体験をした娘は、
作り方の違いやその時教わった知識などをみんなに披露していました。
色々な作り方があると知ることも、勉強になって良いなと思いました。
大豆をつぶしたら、豆腐作りの続きです。
もろもろした豆腐を柄杓ですくって布を敷いておいた豆腐の型に流します。
均等に流したら、重石をして水切りして固めます。
固まったらきれいな水の中にあけ、包丁でカットします。
娘も積極的にやりたがり、カットさせてもらいました。
参加した件数分でわけ、それぞれ大きなタッパーや鍋などに入れて持ち帰ります。
この日は、お昼を食べて片づけをしたら解散です。
夜は、夫の実家で、できたての豆腐で湯豆腐を作ってみんなで食べました。
市販の豆腐よりもしっかりと固く、大豆の濃い味がしました。
娘も、自分で作るとより美味しく感じるのか、嬉しそうに食べていました。
普段何気なく食べている豆腐ですが、自分で作ることで新しい驚きや発見が沢山あったようです。
米麹と大豆で作る信州味噌は、長野県の郷土の味です。
家で味噌を作る家庭も少なくなっている中、今回のように材料の準備から始め、
どのように作られているか知る体験は、とても貴重だと思います。
昔からの生活の知恵や食文化、これからも体験を通して娘に伝え続けていきたいです。
この記事のライター

- 奥牧双葉
- 長野県在住。一児の母。 製菓衛生師/只今、お菓子の企画・開発職として修業中。 これまでパティシエールとして働いてきた経験を活かし、大好きなお菓子作りや料理などを中心に、皆様に手作りの楽しさをお伝えしていきたいです。